 |
|
 |
光学活性
複屈折は、カルサイトのように、常光線と異常光線の屈折率が等しくなる特別な1つの軸方向を持つ非活性の結晶でおこります。水晶のような光学活性の結晶は、厳密にはそのような軸がなく、どの方向でも常光線と異常光線とで屈折率は等しくなりません。光学活性結晶の光学軸とは、その方向に進む光の
O(常光線)とE(異常光線)の屈折率の差が最小となる方向軸のことです。
光学軸が結晶板の表面に垂直になるように造った水晶結晶板に直線偏光の光を垂直に(つまり光軸方向に)入射させると、光線は同一直線上の二本の円偏光の光線に分かれます。O
とE の光線は、互いに逆回転の円偏光の光線で、結晶中を異なった速度で伝播するため、結晶板を出た後の直線偏光の光線の偏光面は、元の偏光面に比べて光軸の回りに回転を受けています。この回転量は、結晶への侵入距離、つまりこの場合には水晶板の厚みに比例します。
互いに逆方向に回転する2つの円偏光を重ね合わせると直線偏光になります。この点が、光学活性または円偏光リターデーションと一般的に知られている直線偏光リターデーションとの違いのポイントです。黄色のナトリウム線(589.3
nm )の波長の光が水晶の光学軸方向に進む場合、互いに逆回転の円偏光成分の屈折率の差は1万分の1のオーダーで、結晶の厚み1mm 当り21.7゜の割合で出射光の直線偏光面が回転を受けます。
因みに、後述の水晶波長板は、光学軸が面内に含まれるように作成された所定の厚みの水晶板で、特定の波長の直線偏光の入射光の偏光面の回転、楕円または円偏光化、またはその逆の目的に用いられます。
|
 |