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吸収、特に波長選択性の吸収は、ここに記載の多くのフィルターの機能の中でも重要な要素です。金属薄膜と「色付き」ガラスの2 つが、一番ポピュラーな吸収体です。金属膜の内でも、インコネル、クロム及びニッケル等は、光吸収度の波長依存性がほとんどありません。それに比べて、色ガラスによる光吸収の方は、波長が数十ナノメートル違うだけで強度が数桁変化する場合もあり得ます。
金属膜、色ガラスおよび誘電体薄膜(時にはそのハイブリッド)が、メレスグリオのフィルターに使われています。フィルターには、波長に依存しないもの(ND フィルター)と、波長選択的な多種のフィルター(色ガラス、ハイパス、ローパス、エッジフィルター、ダイクロイックおよび干渉フィルター)があります。
吸収
どんな材料でも、電磁波の全波長域の内でどこかの波長域の放射光の吸収を示すものです。吸収量は、波長と、放射光の光路にある吸収性材料の厚みと、その材料のその波長についての吸収率に依存します。ここでいう色ガラスとは、近紫外から近赤外の間で波長選択的な吸収を示すガラスのことです。
光の電場成分が光吸収性の原子や分子と双極子相互作用すると、光吸収の現象が起こります。光子が吸収され、原子または分子は励起状態に遷移します。共鳴波長についてのみ、このプロセスが起こります。吸収材料が固体か液体であれば、励起エネルギーは熱(つまり粒子のランダムな振動)に変わります。ですから、吸収タイプのフィルターは、高パワーのレーザー用には向きません。使用した場合、局所的な加熱作用で構造的な損傷を受けることになります。
透過率
光ビームが吸収性材料の薄い層を通る時に吸収される光量は、入射光量と材料の吸収係数の積に比例します。ですから、厚みのある吸収性材料を通過する光強度は、以下のBeer
の法則で表現されるように、厚みに関して指数関数的に減少します。
Ti =exp (−αcx )
ここで、Ti は内部透過率、αは吸収係数、c は吸収性材料の充填率、及びxは吸収性材料の厚みです。吸収係数αが波長に依存しますので、Tiも同様です。
内部透過率は光学素子内部の透過率で、表面反射ロスは考慮に入れません。光学素子の透過率の測定値Tは、表面反射の効果も入りますので、外部透過率と呼ばれます。
フィルター特性の別の表し方として、透過光量ではなく、減光量で表す方法があります。透過率の逆数1/Tを、不透明度(オパシティ)といいます。
複数のフィルターの重ね合わせの透過率は、個々のフィルターの外部透過率の積T1×T2×T3などになります。透過率(従って不透明度)が積算的であるので、何桁にも範囲が広がりかねないので、対数表現で透過率を表す方が便利なことがあります。
光学濃度
光学濃度(または濃度)は、不透明度の10 を底とする対数で、次式で与えられます。
D =log (1/T )
フィルターでの減光量が大きいと、光学濃度の値が大きくなります。ここで重要な点は、光学濃度は加算的であるということです。フィルターを複数枚重ねた場合のトータルの光学濃度は、個別の光学濃度の和になります。
光学濃度は、NDフィルターで特に有用な表現法です。NDフィルターは、非常に平坦な波長特性を有し、光のスペクトル分布を変えずに強度だけを特定の比率で一様に減らすのに使用されます。メレスグリオのNDフィルターには、光学濃度が種々の値のものが用意されています。これらのフィルターを組み合わせて使うことで、実に様々の校正された光学濃度が得られます。
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