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パワー/エネルギーメーターの測定原理-1

パワーおよびエネルギー測定用のディテクタは、熱型ディテクタと量子型ディテクタの2 つに分類することができます。 熱型ディテクタは単に入射された放射光を吸収します。 エネルギーがディテクタに吸収され、平衡状態となるまで検出素子の温度は上昇します。 熱型ディテクタの主な2 つのタイプとして、CW レーザービームのパワー測定に使用されるサーモパイル(Thermopile )と、 パルスレーザーのエネルギー測定に使用される焦電ディテクタ(Pyroelectric detector )が挙げられます。 これらの熱型ディテクタは、ディテクタ内で発生する熱のみを測定するため、一般的に200 nm から20 μm 以上の広帯域においてフラットな波長感度特性を有しています。
一方の量子型ディテクタは、まったく異なる原理によって動作します。 ディテクタは半導体であり、入射光により励起された電子は半導体の価電子帯から伝導帯へ移動し、光子の数に比例した電流が発生します。 価電子帯と伝導帯の間にはギャップがあり、十分なエネルギーを持つ光子のみが価電子帯から伝導帯へ電子を移動させることができます。 このエネルギーλc は、下記の式で求められます。
(式1 )
ここでh はプランク定数、c は半導体内の光の速度、そしてEgはエネルギーギャップを示します。 量子型ディテクタには基本的に2 つのタイプがあり、光導電ディテクタ(Photoconductor )は主に波長が5 μm までの近赤外線に使用され、 フォトダイオードは主に可視光と紫外光に使用されます。 量子型ディテクタの感度は非常に高いためピコワットレンジの測定が可能であり、熱型ディテクタに対して応答速度を非常に早くすることができます。 一方、波長感度特性はフラットではなく、測定可能な波長範囲は非常に狭く、高いパワーのレーザービームにより容易に損傷を受けます。

サーモパイルディテクタ
サーモパイルディテクタは、直列に接続された2 つのセットの熱電対で構成されています(図1 を参照)。
一方の熱電対は吸収ディスク(ディテクタ)に取り付けられ、他方の熱電対はディテクターヘッドのケース(周囲の温度測定のため)に取り付けられます。 入射ビームはディスクに吸収され、その温度が上昇し、ディスクとケースの間の温度差に比例した電圧が発生します。 装置の本体(表示器)部分が測定電圧を読み取り、ワット(パワーの場合)もしくはジュール(エネルギーの場合)の単位での表示を行ないます。
ディテクタのディスクは、耐久性があり、黒色で、吸収し易い処理を施したカーボンもしくはアルミニウムで通常作られています。 ディテクタの応答は、熱電対がマウントされているディスクの熱容量に主に依存します。 エネルギーは表面に吸収され、ディテクタが均一の温度になるまでには時間が必要です。
ハイパワーのレーザーには一般的に大きなディテクタが使用され、これに数秒を要する場合もあります。 小さなディテクタでは、1 秒の何分の一かが標準的な時間です。 メーカーではこの応答速度の遅さを解消するため、温度上昇の傾斜を解析し、平衡ポイントを予測する回路を装置に組込みます。 応答速度が遅いため、サーモパイルディテクタは主にCW レーザーのパワー、およびパルスレーザーの平均パワーの測定に使用されます。 1 秒間に数パルス以上の速度の場合、パルスのピークパワーとエネルギーの測定値は疑わしいものとなります。


図1 サーモパイルディテクタ
焦電ディテクタ
焦電気効果と圧電効果は、密接に関連しています。 実際、ほとんどの圧電性結晶も焦電気効果を呈します。 焦電気性結晶が熱せられるか冷やされる場合、膨張もしくは収縮によるストレスが発生し、 吸収されたエネルギーの大きさに比例した電圧が結晶に発生します。 この電圧または結晶表面の電荷のいずれかを装置が測定し、ワット(ピークパワー)もしくはジュール(パルスエネルギー)に変換することができます。 サーモパイルディテクタとは異なり、熱平衡において結晶内部の電圧と表面の電荷が消散するため、CW レーザーへの使用に適しません。 ただし、熱が結晶全体に広がる必要があるため、水晶内の電圧を読取るディテクタシステムは、 比較的低い周波数のパルス(10 数Hz )への使用に制限されます。 表面電荷を測定するディテクタシステムは結晶表面の温度のみが重要なため、 高い周波数のパルス(>1 kHz )に使用が可能です。 しかしながら、低い周波数(<10 Hz )においては応答は著しく低下します。

光導電体
光伝導ディテクタは、温度により増加する有限の電気伝導性を持ち、極度に不純物を添加された半導体です。 主として赤外線の検知に使用されます。 一般に、ディテクタには一定のバイアス電圧が印加され、 ディテクタから電流が発生することにより信号が得られます。 光伝導ディテクタの持つ1 つの問題は、周囲の温度のわずかな変化でも暗電流 (光を入射しない時にデバイスから発生する電流)を著しく増加させ、 信号が埋もれてしまうという点です。従って、ディテクタの温度を安定させるか、 または位相の検出を行なう必要があります。



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